笹餅は、青森の郷土菓子なのだろうか。
NHKで「餅ばあちゃんが教えてくれたこと」という番組があった。
たった1人で笹餅を作る、95歳のミサオおばあちゃん。
高齢だから注目されてる訳でなく、
ミサオおばあちゃんの仕事への姿勢、考え方、生き方が、
丁寧な笹餅そのもの。
シンプルな材料だからこそ、個性が出るのだろう。
是非、食べてみたい!!
桑田ミサオさんという人
青森で、約30年、笹餅を作り続けている。
道の駅には、他県からも目当てで買いに来る人も多く、すぐに完売する人気ぶり。
NHKは、ミサオさんを2年取材し、95歳という年齢を感じさせない働きぶりや、考え方、私生活を含めで紹介した。
神様がくれた10本の指
ミサオさんは、お母さんとの思い出をよく語っている。
ミサオ母は、
仕事が仕事を教えてくれる
と言っていたそうだ。
一生懸命、ただひたすらに打ち込んでいると、
あぁ、こうすればもっと笹の色が良くなる、とか、
小豆がふっくら仕上がるとか。
仕事にじっくりと向き合い続けることで、
気付かなかった事が、だんだん見えてくる。理解できてくる。
どんなに貧乏で苦しくても、
神様がくれた大切な10本の指を動かしていれば、
ちゃんとお金は回ってくる、と母が教えてくれたそう。
喜んでくれる人の顔を思い浮かべて、
手間を惜しまず、丁寧な仕事をする。
「カムカムエブリバディ」のあんこのおまじないのように。
ミサオおばあちゃんの笹餅
日除け帽子を深く被り、長靴で自転車にまたがるミサオさん。
団子を包む大きな笹の葉を収穫する為に、藪の中の奥へ奥へと進んでいく。
1日に150個作るというから、幾らあっても足りないのだろう。
収穫した笹は、一枚一枚洗い、ハサミで形を整え、水に浸すと美しい緑色になる。
小豆も自ら栽培。
天候に左右される小豆の出来を、長年の経験で培った塩梅で、煮時間を調整する。
小豆を丁寧に裏漉しし、絞り袋の中で固く絞る。
前屈みの姿勢が多く、腰を辛そうに反らしている。
餅粉や砂糖、塩を混ぜて蒸しあげ、
一口大に絞りだして、笹でくるんで2度蒸しする。
この工程を年中休みなく繰り返して来たのだ。
95歳になり、体力の限界でしばらくお休みするという。
普通ならとっくに引退しているはず、労働を厭わない精神や、優しく前向きな人柄に胸をうたれる。
ミサオおばあちゃんが教えてくれた事
笹餅を作るミサオおばあちゃんの表情は、時には真剣で、そしてほとんどがニコヤカ。
NHK取材スタッフに対しても、「ご飯、一緒にどうぞ」と、決して準備した訳でもなく、あるものでチャチャっと作って、さり気なく勧めてくれる感じ。
ある時は、病に伏せたお嫁さんの看病に奔走し、
「私にできることは精一杯やるだけ」と言う。
きっと、誰に対しても誠意を持って生きる姿勢が、笹餅作りにも徹底されていて、その仕上がりが絶品になのは必定なのだ。
目の前の何かに、真摯に打ち込む姿勢。
手間暇を惜しまない、心を尽くす。
どんな状況でも、ずっと変わらない。
やり続ける、と言う難しさを、
95歳になってもなお、継続している桑田ミサオさん。
そんなミサオさんを知ることで、
自分自身もまだまだ頑張れる、と勇気づけられる、そんな素敵な女性でした。
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